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ドンド焼き

 比較的暖かな日に愛犬を散歩に連れ出した。通りかかった隣町の自治会掲示板の「ドンド焼き」の文字に釘付けになってしまった。「打越弁財天、1月15日(日)、午後1時〜3時」。 懐かしさが沸いてきた。是非、参加してみたいと。

 当日は、よい天気で寒さの谷間の暖かい日差しが降り注いで気持ちがよい。午後になると少し風が出てきたが、絶好の「ドンド焼き」日和。
 16号バイパスが出来るまでは、池があり、その畔に弁才天として蛇を祀っていた。特に、この辺りは、マムシが多いところでもあったらしい。此方に越してきたころは、マムシに注意という看板をよく見かけた。
 既に、燃やす薪の山は出来ていた。かつて経験したものよりは小さいが懐かしい。道祖神の祭礼の一環としてではなく、「ドンド焼き」をかつての子どもであった熟年の人たちが守っているのだ。古い厄を焼き払い、神様の火にあたり、焼いた団子を食べることで、1年の無病息災を願う行事として、廃れさせたくないと一生懸命に守っている。
 消防車もやって来た。火の粉が飛び散って山火事にならないようにとの配慮だ。今かと待っている人たちは、米粉と違ってすぐには硬くならない団子を買って、用意されている枝に3個さして待っている。結構、お札や、達磨や、しめ縄、正月飾りをもって人々が集まってくる。
 僧侶の読経が始まり、火が点火された。青い煙と黒く燃えた竹の葉があたりに一面に舞っている。消防団は、周りの木々に水を掛けたりして見回っている。突然、竹が破裂する音があたりに響く。<バンバン>という音に聞き入っていた。
 火が落ち着くまで待てない人は、団子の枝や竹竿を火に近づけているが、熱くて我慢できない。団子はすすけてしまうのが落ちだ。
 最初の団子は、やはりかなりすすけて焦げてしまった。それでも口の中に放り込んだ。米だけの団子と違って、食べやすくなっている。そして更に2袋買って、焼いたのを食べさせてやろうと家に持ち帰ったが、家内はどうも食べなかったようだ。残りは、餡こをまぶして置いたら売れた。これで一年間無病息災でいられるなら安いものだ。
 豚汁をご馳走になり、帰路についた。あれだけ良かった天気も、雲が一杯張り出していた。
 時代の流れと場所や人の問題で、ドンド焼きも変わっていくのだろう。人々が、家内安全・無病息災を願う限り続いていって欲しいと願っていた。
 
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更新日:2006年1月25日
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