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片倉台福祉ネットワーク
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ミニ特集No.19

「認知症サポーター養成講座」

見聞の記

講座のテキスト片倉台福祉ネットワークでは平成19年2月に「認知症ともの忘れ外来」、同年11月に「認知症の介護」と認知症について勉強してきました。
今回は第3回目として、「認知症サポーター養成講座」を企画し、平成21年9月29日に認知症を正しく理解し、認知症の方やそのご家族を温かく見守り、サポーターとなるための勉強会が行われました。
この講座を受け、オレンジリングの付与を受けた人が「認知症サポーター」になれます。

厚生労働省が平成17年度から開始した「認知症を知り地域をつくる10ヵ年」構想の一環である「認知症サポーター100万人キャラバン」は、認知症の方と家族への応援者である認知症サポーターを全国で100万人養成し、認知症になっても安心して暮らせる町を目指しています。すでに今年5月に目標の100万人を突破しましたが、更に400万人を目指し、新しいステップに入ったそうです。

講師の写真講師は地域包括支援センター高尾の職員でキャラバンメイトの齊藤健一氏と社会福祉協議会の社会福祉士でキャラバンメイトの佐々木是氏にお願いいたしました。
スタッフとして地域包括支援センター高尾、社会福祉士でキャラバンメイトの小林さん、包括支援センター片倉から看護師でキャラバンメイトの唐澤さん、社会福祉士の森さんにご協力いただきました。参加自治会員は30名でした。

まず初めに認知症を理解するために、厚生労働省の作成したビデオが上映されました。
以下はその概略です。

「認知症の病理的、医学的な正しい知識を持つことが大切である」と、医師からの説明がありました。(齊藤講師の話と重複する部分があるので後述)
次いで認知症と思われる人にはどのように接したらよいか、ゴミだしと買い物、家に帰れない人の事例をあげ、対応の良い例、悪い例が紹介されました。(ここでは良い例を記述)

ゴミ出し・・・認知症になると、ゴミを決められた日に出せないことがあります。
もし間違った日にゴミを出そうとしたら、「おはようございます」のやさしい言葉かけから今日はゴミ出しの日ではないこと、いつゴミを出したらよいか、またはその日にゴミを取りに行ってあげるなど、ゆっくり伝えます。

買い物・・・お金の計算が上手く出来なくなることがあります。
そんな時、買ったものを読み上げ、金額をはっきり言い、時には一緒に小銭を数えるなど、さりげない手助けや、やさしい対応で自尊心を傷つけないようにします。

家に帰れない・・・今自分が居る場所や時間の感覚が分からなくなり、近所にいても自分の家に帰れなくなることがあります。
街中で不安そうにしている人がいたら、さりげなく様子を見守り、声を掛けるときは前からゆっくり話しかけましょう。

以上の例から認知症であっても周囲の理解と支えがあれば住み慣れた街で穏やかに暮らしていくとことが出来ることを学びました。

齊藤講師の話に戻ります。

認知症の病気の形

  • 変性疾患(脳の細胞がゆっくり死んでいく)
    1. アルツハイマー病・・・変性疾患(脳器質が変わってします)
    2. ピック病・・・前頭・側頭型
    3. レビー小体病
  • 脳血管性[脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の後に出る]
  • 他に外傷性によるもの、薬物によるもの  など。

上記の中で一番多いアルツハイマー型認知症を取り上げ、詳しい症状の紹介がありました。

認知症の症状

  • 中核症状
    • 記憶障害・・・・進行すると新しい記憶も古い記憶もなくなる
    • 見当識障害・・・場所・時間・季節感がなくなる。
    • 実行機能障害・・機械操作や計画を立てること、按配が出来なくなる
    • 執行失認・・・・着替えが出来ない、「どなたですかあなたは?」
  • 周辺症状(人の手によって作られた障害・・人によって出る、出ないがある)
    • 不安・焦燥、うつ状態、幻覚・妄想、徘徊、不潔行為、興奮・暴力など
    • 中核症状の4つ全てが関係している
  • 徘徊について
    • 徘徊には目的があります。人に助けを求めることも歩みを止めることも出来ないので、「こんにちは」「何かお困りですか」「のど乾きませんか」「暑いですね」「椅子に座りませんか」とやさしく止めてあげ、椅子などに座ってもらいます。
      早口でまくしたてないことです。
      認知症の方はゆったりとした世界で過ごされているので、ゆっくりと短い言葉で話します。歩みを止めて休むことで、今自分が何をしようとしていたかを思い出す場合があります。
      持っているバックの中に連絡先や、徘徊の症状があると記されている場合があります。
  • 不潔行為について
    • トイレの場所や、排便後の処理の仕方が分からなくなり、周囲を汚してしまいます。
    • 自分のやった行為を忘れ「誰がやったんだ、こんなこと」になります。

診断と治療

コスモスの写真 認知症は早期診断、早期治療に尽きます。
しかし、初期ほど診断が難しいと言われています。
CTやMRI検査で診断し、治る病気か一時的な症状かを判別します。
早く診断がつくと塩酸ドネペジル製剤(アリセプト)という薬があります。この薬は進行を遅くし、早く服用すればするほど効くといわれています。
残念ながら認知症を完全に治す特効薬はまだ出ていません。
脳血管性認知症では再発やストレスで進行することがあります。
認知症が進んで周辺症状が強く出るようになりますと、入院が必要になります。
日頃からかかりつけの医師で何でも相談できる専門医を近くに見つけておくことが大切です。
八王子には医師会で取り組んで認知症専門医が増えています。
インターネットで「認知症どんとこいドクター」(略してD-Net)で医療機関の検索や情報が取得出来ます。
事前に成年後見人制度のこと、社会福祉協議会の地域権利擁護事業でお金の管理をしてもらうこと、地域包括支援センターなど、「いざ!」という時のためにつながりを持つことが大切です。

予防について

認知症はまだ完全解明がされていません。年をとることが大きな要因になりますが、時を止めることは出来ません。リスクを少なくするためには、脳血管性の認知症の場合には生活習慣病の予防が大事です。ちゃんと食べること・遊ぶこと・寝ること全てバランスが大切です。適度、適当、いいかげんに生活を送ることが認知症の予防につながっています。脳の活性化をはかりましょう。脳トレは楽しみながらしましょう。

一番初めに自覚するのは近所の人でも家族でもなく自分自身だそうです。「頭にモヤがかかったみたい」と表現される方がいます。「なんかへん」とも思うそうです。
一生懸命本やインターネットで調べても絶望的なことばかり載っています。それで本人はパニックになってしまいます。
だからこそ周囲で支えてあげられたらよいですね。また介護する人も一人で頑張らないでください。介護疲れによる虐待も起こり得ます。周囲の人は気付いたら「お節介」をしましよう。
私たちに出来ることは認知症は病気であると理解すること。
認知症は自分たちの問題であると認識すること、です。

休憩の後、
オレンジリングの写真 福岡県の大牟田市は町をあげて認知症のネットワークを作り、オレンジリングの活動が全町民に行き渡っているそうです。自分たちで徘徊訓練を行い、声掛けの模擬トレーニングをしたそうです。
また、愛媛県の松山市、託老所「あんき」の開設者中矢さんが「認知症はね、自然なんだよ。私もいつかはボケよる。この家で死にたいから、皆の目で見守って見届けてほしいから自分のために施設を作った。認知症に罹ったからと言って全部を忘れるわけではない。嬉しいこと、悲しいこと、辛いことがわかり、やさしくされたら嬉しい。愛情を持って普通に接すればよい。」との話がありました。
「年を重ねても自分なりに自立した生活をしたい。尊厳を持って生きたい。」 だれもがそんな願いを持っています。そんな私たちの生活を脅かし、老後の大きな不安となっているのが認知症です。85歳以上の四人に一人に認知症の症状が見られるといわれていますが、この病気に更に関心を持ち、自分の問題としても考えるよい機会になりました。
ありがとうございました。
さあ、私たちは今日から認知症サポーターです。


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更新日:2009年10月13日
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