春見つけ隊・お庭拝見

半 田 憲 治


 「春見つけ隊」、まさしく名前通り、長らく待たされた新緑がやっと目につくようになった4月15日の星野ツアーです。
 例年は連休前後の行事だったのですが、今年は少し早めた結果、「見つけたい」「意識して見つけなければ」という行事名通りのタイミングです。
春見つけ隊スタート 9時半、北野南部会館前に集合。昨今、女性優位の「集まり」が多いなかで珍しく男女半々。星野さんの説明のあと、まずわれらが団地のなかを散策します。
 本行事の一番の特長は、団地内のお宅の庭に入り込む、入り込める、ことです。ほとんどのお宅には事前に連絡して了解済み、あるいは暗黙の了解済みです。でも時には、「このお花きれいねー」「やー珍しい花があるぞー」と他人の庭のなかを道路から覗き込んでいると、そこの家の人が「どうぞどうぞ、なかで見てください」と、庭のなかに招き入れてくれます。団地内散策外の道路から見るよりは、庭園内に入って見る方がはるかに楽しめます。当団地のほとんどの皆さんは、外向けよりも内向けにお庭のアレンジをしています。最もこれは見栄っ張り外人に比べた日本人全体の特長だと思いますが。外から見ただけでは想像出来ないくらい充実したお庭のお宅ばかりです。
 こうしてきれいなお庭を発見。お花つくりの名人を発見。さらに最も大きな収穫は、近所に「知り合い」が増えていくことです。
 お隣さんとのおつきあい、近所とのおつきあい、皆さん心の中ではおつきあいをしたいと思いながらも、現実にはなかなか難しいものです。おつきあいのきっかけ、タイミングが難しく、また、おつきあいの実際の中身となると、更に難しくなります。
クマガイソウ そういう意味合いでも、毎年、春秋、行なっているこの行事はなかなかの優れものです。ご近所とのつきあいのきっかけを作る、つきあいの幅を広げるのに大いに効果があります。
ユキモチソウ 今回お庭に入り込ませていただいたのは、 さん宅、さん宅、さん宅、HOさん宅、H I さん宅、さん宅などです。 さん宅ではクマガイソウ、ユキモチソウ、 さん宅ではシラネアオイ、さん宅ではタイリントキソウ、ミズバショウ、などなど・・・・・
という具合です。あっという間に時間が過ぎていきます。
シラネアオイ 特記事項はさん宅です。ここはたまたま通りすがりに、ご主人にお会いして、庭の中に入れさせていただいたのですが、そのお庭の充実しているのには、皆さんびっくり、感心してしまいました。外から見ただけでは想像もつきませんでした。
 写真撮影、これが思ったよりも大変です。大勢の人がひとつの花に「ワー」っと集まり、かなり専門的に観察し、質問し、議論し、・・・・・全員一度には無理なので、交代で、・・・・・
これは何かな? 理想的な構成で写真を撮るなんてとても無理です。撮影の時間もとれません。写真を撮ったり、取材したりしていると、皆に置いていかれます。追いつくのに走らなければなりません。人の倍ほど歩きます。ホームページ作りに必要なのは、まず体力、次に心臓の強さ、ずうずうしさです。
ほらこれですよ この行事を始めた時は 「9時半から歩き始めれば、お昼頃には飽きて解散だろう」ということで、お弁当なしでした。ところが皆さんとても熱心で、午後の2時か3時頃までかかってしまい、大変なご迷惑をおかけして、不評をかいました。それで2回目以降はお弁当持参となった次第です。皆さんのお弁当はと、それとなく見ると、一番人気はコンビニのおにぎりのようです。お蔭様でこのような行事にも気軽に参加出来る時代になりました。。
カタクリ 団地内散策の後は片倉城址公園です。ここの「カタクリ」は有名ですが、今年は何十年来かの不作だったそうです。ただ見学者は例年にも増して多かったそうです。不作が続くキツネノカミソリようなら何らかの対策が必要になるのかもしれません。「狐のかみそり」という植物が「カタクリ」の領地を侵食するのだそうです。世論は「カタクリ」に応援しているようですが、「狐のかみそり」にしてみれば迷惑な話かもしれません。
 似ているようで全く別の話ですが、片倉城址公園には「カワニナ」が沢山いました。蛍の餌(食料)になるタニシ?のような巻貝です。きっと今年は蛍の当たり年になるでしょう。片倉城址公園の蛍はとても可愛らしく、人なつっこく、子供たちの指先や肩にとまったりするので、とても人気があります。でもいつも思うのですが、あの可愛いい蛍が、本当にこの貝を食べるのだろうか? 貝は2cmから3cmの大きさで硬い殻に覆われています。とても蛍がこれを食べてしまうとは思えません。気になったので、帰宅してから調べました。間違いありません。蛍の幼虫はこれを30匹以上食べて成虫になるのだそうです。蛍人気が出れば出るほど、カワニナの悲劇が増えるわけで、これまたカワニナにとっては迷惑なことでしょう。

シャクナゲこの後は、湯殿川沿いを通ってみなみ野の宇津貫公園、絹の道、帰宅というコースです。
八重桜白いシャクナゲ、八重桜、菜の花が満開、春全開というところです。
 途中、この写真は麦です。もう少しで収穫なのです。ホームページ四季の秋編で、片倉台小学校の屋外実習菜の花「稲穂が実って垂れ下がる」のを取材しました。秋は収穫の時期ですから、当然、麦当たり前の感覚です。「春に麦を収穫する」というのは、知識として頭にはあっても、取材してみて初めて体験する実感です。春にも収穫があるんだ。しかも私たちの家と同じような普通の民家のすぐ隣で。
 宮仕えを終えてから、ひょんなきっかけでパソコンを使わざるを得なくなり、しかも更に、読みの甘さゆえに、自分でホームページまで作らなくてはいけないはめになり、なんとも四苦八苦で刺激の絶えない人生なのですが、今日もまた、麦は春に収穫するんだー、しかもこんな家庭菜園に毛が生えた程度の規模で、と、新知識の収穫です。しかしこんなに小規模に麦を作ってどうするのでしょうか? 粉にして自分好みのパンでも焼くのでしょうか。ムラサキサギゴケ「パンを焼く」といえば、ここ何年か自家製のパン、自分で焼いたパンに慣れてしまい、その辺で買ってくるパンでは何か物足りなく、おいしくありません。最近は自家製のパン以外では、時々みなみ野まで散歩にいって、只のコーヒーにつられて食べる石窯屋のパンだけです。
十二一重 湯殿川周辺ではムラサキサギゴケも見つけました。
 宇津貫公園ではタイミング良く、十二単衣の群生にもお目にかかれました。
 今日は結構ハードなハイキングでした。春の植物観察もさることながら、日ごろの運動不足解消に大いに役立ったことと思います。
 帰宅して、気持ちよいお風呂のあと、さっさと 「花よりダンゴ」に切り替えた人も多いのではと思います。
山野草展 でもそんなに、のんびりしてはいられない人もいます。1週間後の「春の山野草展示会」の段取り、準備が待ち構えているのです。生の植物を「決められた時期」に合わせて咲かせ、出展するのは、想像以上に大変です。半年以上も前から準備して、期日が迫ったら、日光浴させたり、日陰に入れたり、暖めたり、冷したり、しなければなりません。開催時期に合わせて開花させるのは大変なのです。たまたま咲いたものを出展するだけではありません。それでもうまくいかない時のため、同じものを少しずつ時期をずらせて育てる必要もあります。
 しかしこのように気合の入った日々とリラックスのミックスが、健康で充実した人生をはぐくむのだろうと思います。有意義な1日でした。


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